インターナショナル・ビアカップ2026 受賞結果を考察
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先日東京で行われたビールの国際品評会「インターナショナル・ビアカップ2026」で、OUR BREWINGの"Four Dimensions"(フォー・ディメンションズ)が銀賞を受賞しました。「クラシック・イングリッシュ・スタイル・ペールエール」部門での受賞です。

IPAをはじめとする現代的なスタイルでの受賞が多かった私たちにとって、クラシックスタイルの代表格であるイングリッシュ・ペールエール部門での受賞はとても嬉しい結果でした。
せっかくの機会なので、受賞一覧とカテゴリーチャンピオン一覧を私たちなりに読み解いてみました。マニアックな内容ではありますが、今年はどのブルワリーが結果を残し、どんな傾向が見えたのかを私たちの視点でお伝えしていこうと思います。(以下、敬称略)
1,459銘柄が審査会に集まる
インターナショナル・ビアカップは、日本地ビール協会(クラフトビア・アソシエーション)が1996年から主催する国際的なビール審査会です。2026年は10月3日から6日まで、東京・羽田で審査が行われました。
|
項目 |
全体 |
うち海外 |
|
出品ビール数 |
1,459 |
487 |
|
出品事業者数 |
374 |
106 |
|
審査員数 |
100 |
61 |
出品は21の国と地域から、審査員は25の国と地域から集まっています。審査員の6割が海外から来ている、正真正銘の国際大会と言えます。
審査は「ボトル/缶」と「ケグ(樽)」の2部門に分かれ、それぞれビアスタイルごとに金・銀・銅が選ばれます。
結果を残したブルワリーは?
金賞の数でトップに立ったのは、長野のヤッホーブルーイングでした。金5・銀3・銅1の計9個で、ボトル/缶とケグの両部門で金賞を獲っています。
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ブルワリー |
所在 |
金 |
銀 |
銅 |
計 |
|
ヤッホーブルーイング |
長野ほか |
5 |
3 |
1 |
9 |
|
Hong Kong Beer Co |
香港 |
1 |
3 |
5 |
9 |
|
麗人酒造(信州浪漫麦酒) |
長野 |
2 |
4 |
2 |
8 |
|
SPRING VALLEY BREWERY |
東京 |
2 |
2 |
3 |
7 |
|
Mingri Brewing |
中国 |
2 |
1 |
3 |
6 |
|
渥美半島醸造 |
愛知 |
1 |
4 |
1 |
6 |
|
Trap Door Brewing |
米国 |
0 |
3 |
3 |
6 |
|
Peiping Machine Brewing |
中国 |
2 |
2 |
1 |
5 |
|
JING-A |
中国 |
4 |
0 |
0 |
4 |
|
Templin Family Brewing |
米国 |
3 |
0 |
0 |
3 |
受賞一覧をもとに、出品者単位でOUR BREWINGが集計したものです。ヤッホーブルーイングには「そらとしば」「YONA YONA TOKYO BREWERY」名義の受賞を含みます。
メダルの総数ではなく金賞獲得数で見ると、中国のJING-Aと米国のTemplin Family Brewingが目を引きます。JING-Aは受賞4銘柄、Templinは受賞3銘柄のすべてが金賞でした。
長野に本拠を置く2社も印象的です。ヤッホーブルーイングと麗人酒造だけで、金7個を含む17個のメダルを獲得しています。麗人酒造は七味唐辛子ビールと6HOP IPAでケグ部門の金賞を獲り、同じ2銘柄がボトル/缶部門でも受賞しています。
カテゴリーチャンピオンに選ばれた22銘柄
スタイル別のメダルとは別に、スタイルを束ねたカテゴリーごとに1銘柄だけ選ばれるのがカテゴリーチャンピオンです。今年はボトル/缶部門で12銘柄、ケグ部門で10銘柄が選ばれました。
ボトル/缶部門
|
カテゴリー |
審査数 |
チャンピオン |
ブルワリー |
所在 |
|
British Heritage |
65 |
Gold Light • Pale Ale |
Kumbat |
中国 |
|
German Heritage |
94 |
PILSENER |
CRAFT BEER BASE |
大阪 |
|
Belgian Heritage |
52 |
有馬山椒セゾン |
NAMI NO OTO BREWING |
兵庫 |
|
American Heritage |
234 |
Mingri's hop selection-Nelson sauvin EH |
Mingri Brewing |
中国 |
|
Wheat & Cereals |
49 |
Uncle Dunkel |
Geist Brewing Co. |
インド |
|
Fruits & Spices |
127 |
THE Velvet Underground |
YE BREWING |
中国 |
|
Aged & Strong |
86 |
Hammer Krushed Brain |
MAHOWBREW |
沖縄 |
|
Microbic Fermented |
43 |
Mimi Sour |
Bubble Chemistry |
韓国 |
|
Historical |
2 |
Grodziskie |
Browar Warszawski |
ポーランド |
|
Japan Origin |
24 |
華灯 1st |
funs brewing |
大阪 |
|
Other Specialties |
120 |
Bract 2 The Brewer |
Mountain Goat |
オーストラリア |
|
Free Style |
40 |
Winter Kingdom |
Artmonster Brewery |
韓国 |
ケグ部門
|
カテゴリー |
審査数 |
チャンピオン |
ブルワリー |
所在 |
|
British Heritage |
39 |
MOON STOUT |
芝浦ブルーイング |
東京 |
|
German Heritage |
71 |
ピルスナー |
横浜ビール |
神奈川 |
|
Belgian Heritage |
36 |
SAKE セゾン |
104 BREWERY |
岐阜 |
|
American Heritage |
137 |
American Pale Ale |
Nori's Beer |
山梨 |
|
Fruits & Spices |
73 |
A STUDY IN PINK |
平和クラフト(平和酒造) |
和歌山 |
|
Aged & Strong |
15 |
Op. 11/ Double IPA |
新月ビア |
東京 |
|
Microbic Fermented |
23 |
PRE-DAWN DOWN |
あおぞらブルワリー |
福岡 |
|
Japan Origin |
16 |
華灯 2nd |
funs brewing |
大阪 |
|
Other Specialties |
56 |
ラオホ |
富士桜高原麦酒 |
山梨 |
|
Free Style |
24 |
鮨燻酒 ~9th Anniversary~ |
SPRING VALLEY BREWERY |
東京 |
チャンピオン一覧から読み取れること
メダル数とチャンピオンの関係
メダル数上位10社のうち、チャンピオンを出したのはMingri BrewingとSPRING VALLEY BREWERYの2社だけでした。金賞5個のヤッホーブルーイングも、受賞がすべて金賞だったJING-Aも、チャンピオンには届いていません。メダル数が多いところがチャンピオンになっているとは限らないことがわかります。
両部門を制したfuns brewing
大阪のfuns brewingは、Japan Originカテゴリーの2部門を「華灯 1st」と「華灯 2nd」で獲りました。どちらもSake Yeast Beerの金賞銘柄です。
いちばんの激戦区はAmerican Heritage
審査数はボトル/缶で234、ケグで137と、どちらの部門でも最多。IPAやペールエールが集まるこのカテゴリーを、中国のMingri Brewingと山梨のNori's Beerが制しました。
Belgian Heritageは、両部門とも和の要素を冠したセゾン
ボトル/缶は「有馬山椒セゾン」、ケグは「SAKE セゾン」です。ベルギー由来のスタイルに日本らしさを重ねた銘柄が、カテゴリーの頂点に立っています。
部門ごとの顔ぶれの違いは、ここでもはっきりと出ています。ケグ部門の10銘柄はすべて国内のブルワリーで、ボトル/缶部門は12銘柄のうち8銘柄が海外です。
受賞一覧から見えた3つの傾向
ケグ部門は国内勢、ボトル/缶部門は海外勢という傾向
ケグ部門の受賞は、ほぼ国内のブルワリーで占められました。海外からの受賞は中国の2社と香港の1社だけです。樽を運ぶ手間を考えれば自然な結果かもしれません。
一方、ボトル/缶部門では金賞の半数以上を海外勢が占めました。なかでも中国のブルワリーが目立ち、米国、香港、韓国、オーストラリアが続きます。
メダルが3つ揃わないスタイルも多い
金・銀・銅がすべて出たスタイルは、受賞があったスタイルの半数に届きません。ボトル/缶部門のAmerican Wheat Beerは銅賞のみ、ケグ部門のInternational-Style India Pale Aleは金賞のみでした。
順位をつけて上から3つを選ぶのではなく、基準に届いたビールにだけメダルが出る審査です。メダルを獲得できること自体に大きな価値があると言えそうです。
和の素材に海外勢がチャレンジすることも
Yuzu Beer、Japanese Green Tea Beer、Sake Yeast Beerといった、日本の素材や酵母を軸にしたスタイルがあります。ここに海外のブルワリーが入賞していました。
- Yuzu Beer(ボトル/缶)の銅賞は、中国のHOPSCRAFT「Yuzu Rice IPA」
- Japanese Green Tea Beer(ボトル/缶)の銀賞は、中国のSchrodinger's Brewing「A Fleeting Moment」
-
Sake Yeast Beer(ボトル/缶)の銅賞は、台湾のBuckskin「SAKE beer」
柚子や緑茶、清酒酵母など、日本の素材を使ったビールが海外でも広がりを見せつつあるようです。
OUR BREWINGの結果
Four Dimensionsは、ボトル/缶部門のClassic English-Style Pale Aleで銀賞をいただきました。
|
賞 |
ビール |
ブルワリー |
所在 |
|
金 |
摂田屋クラフト ペールエール |
摂田屋クラフト(吉乃川) |
新潟 |
|
銀 |
Four Dimensions |
OUR BREWING |
福井 |
|
銅 |
BUENAVISTA日本平 |
GARCIA BREWING |
静岡 |
この部門は金・銀・銅がすべて出たスタイルのひとつです。3つとも国内のブルワリーが受賞しました。
Four Dimensionsは、柑橘のキャラクターとトーストのような甘い穀物感の絶妙なバランス。透き通った琥珀色を特徴としています。
ペールエールの伝統、クラシックさを継承しつつ、飲みやすさと飲みごたえを備えた、何杯でも飲めるビールを目指しました。
ビールの基本原料は麦芽、ホップ、酵母、水。この4つの次元を最適なバランスで掛け合わせ、モルトとホップのバランスが取れたビールに仕上がりました。「4次元」を英語で表現して、”Four Dimensions”と名付けました。
北陸3県に目を向けると、富山のNAT.BREW「HAIL PLUM!」がContemporary Goseで銀賞、石川のわくわくブルワリー「加賀棒茶ビール」がケグ部門のOther Tea Beerで銅賞を受賞しています。
さらなる高みへ
銀賞はうれしい結果ですが、金賞との差がどこにあるのかを考える機会にできればと思います。福井でビールを造る私たちにとって、世界の審査員に飲んでもらえるこの品評会は、自分たちの現在地を確かめるために必要不可欠だと考えています。来年こそは金賞を獲得できるように頑張ります。
いつも飲んでくださる皆さまに、あらためて感謝申し上げます。受賞したFour Dimensionsを、ぜひ味わってみてください。
弊社タップルームでは、「Four Dimensions」を常設しております。
出典:インターナショナル・ビアカップ2026 受賞ビール一覧、大会の沿革はPR TIMES掲載の大会紹介によります。